電子書籍リーダーを選ぶとき、多くの人が迷うのが「楽天Kobo」と「Kindle」のどちらにするかです。どちらも人気が高く、機能面も充実していますが、強みや得意分野が少しずつ異なります。本記事では、価格や品揃え、ポイント制度からクラウド機能まで、両者を徹底的に比較。あなたの読書スタイルに合う一台を見つけるための完全ガイドをお届けします。

電子書籍リーダー選びの基礎知識

電子書籍リーダーとは?スマホやタブレットとの違い

電子書籍リーダーとは、本を読むために特化した端末のことです。代表的なものに楽天KoboやAmazon Kindleがあります。スマホやタブレットでも電子書籍は読めますが、電子書籍リーダーには「E Ink(電子ペーパー)」という特殊な画面が使われています。この画面は紙に印刷された文字のように見えるため、長時間読んでも目が疲れにくく、太陽光の下でも反射せずに読みやすいのが特徴です。さらに、バッテリーの持ちが非常に良く、1回の充電で数週間も使えることがあります。

一方で、電子書籍リーダーは動画やSNSの閲覧などには向いていません。動きのあるコンテンツやカラー表示はスマホやタブレットのほうが得意です。ですので、「本をたくさん読む人」「移動中や屋外で読む機会が多い人」には電子書籍リーダーが適しています。逆に、たまにしか読まない人やカラー雑誌をよく読む人には、タブレットのほうが使い勝手がいい場合もあります。

つまり、スマホは万能選手、タブレットはマルチメディア型、電子書籍リーダーは「読書専用機」と覚えておくと選びやすくなります。


楽天KoboとKindleの市場シェアと歴史

電子書籍市場は、日本では2010年代から急速に成長しました。Amazon Kindleは2007年にアメリカで発売され、日本では2012年にサービスを開始しました。一方、楽天Koboは2010年にカナダで設立された企業を楽天が買収し、日本向けには2012年に「Kobo Touch」から展開を始めました。つまり、日本市場ではほぼ同時期に登場しています。

市場シェアを見ると、日本国内ではKindleがやや優勢です。理由としては、Amazonがすでに通販で多くの利用者を抱えており、その会員基盤を活かせたこと、またPrime会員向け特典との組み合わせが魅力的だったことが挙げられます。一方、楽天Koboは楽天市場や楽天ポイント経済圏の強みを活かし、楽天ユーザーを中心に着実にシェアを広げています。

結果として、日本ではKindleとKoboが二大勢力として電子書籍市場をけん引しており、「どちらを選ぶか」が読書生活の快適さを大きく左右する時代になっています。


電子書籍リーダーのメリットとデメリット

電子書籍リーダーの最大のメリットは「軽くて持ち運びやすい」「大量の本を収納できる」「目が疲れにくい」という3つです。たとえば、文庫本を10冊持ち歩こうとするとかなり重くなりますが、電子書籍リーダーなら数千冊分を1台に保存可能です。また、引っ越しや収納場所の心配もありません。

ただしデメリットもあります。まず、端末や電子書籍の購入には初期費用がかかります。また、紙の本のように「売ったり貸したり」が基本的にできません。さらに、サービスごとに買った本は他社端末では読めないケースが多い(例:Koboで買った本はKindleでは読めない)ため、途中でサービスを乗り換えるのが難しいです。

つまり、電子書籍リーダーは「長く使うことを前提に、自分に合ったサービスを選ぶ」ことが重要になります。


読書習慣に与える影響と利用シーン

電子書籍リーダーを使うと、読書の習慣が大きく変わる人も少なくありません。たとえば、通勤電車でスマホを触っていた時間が、電子書籍リーダーで読書する時間に変わる人もいます。また、夜寝る前に紙の本だと部屋の明かりをつける必要がありますが、電子書籍リーダーならフロントライト機能で暗い部屋でも読めます。

屋外での利用も快適です。夏の公園やビーチでも反射しにくい画面は紙の本よりも読みやすい場合があります。また、旅行の荷物を減らしたいときも、何冊も持っていく必要がなくなります。

ただし、SNSや動画の誘惑がない分、読書に集中しやすい反面、辞書機能やメモ機能を使いこなす習慣がないと紙の本ほどの「思い出しやすさ」が得られないという声もあります。


購入前に押さえておきたいポイント

電子書籍リーダーを買う前に確認したいのは以下の5つです。

ポイント内容
端末の種類と価格自分の予算と使いたい機能に合うモデルを選ぶ
本の品揃え読みたいジャンルや言語の本が揃っているか
連携サービスAmazonや楽天など既存アカウントとの相性
ポイントや特典購入時や読書でポイントがたまるか
読みやすさ画面サイズ・ライト機能・解像度など

これらを確認せずに購入すると、「欲しい本がなかった」「思ったより高かった」など後悔しやすいので注意が必要です。

楽天Koboの特徴と魅力

Koboデバイスのラインナップと価格帯

楽天Koboの電子書籍リーダーは、用途や予算に合わせて複数のモデルが用意されています。2025年現在の主なラインナップは以下の通りです。

モデル名画面サイズ主な特徴価格帯(税込)
Kobo Nia6インチエントリーモデル・軽量約10,000円
Kobo Clara 2E6インチ高解像度・防水・環境素材使用約16,000円
Kobo Libra 27インチページめくりボタン・防水約23,000円
Kobo Sage8インチ大画面・ペン入力対応約32,000円
Kobo Elipsa 2E10.3インチノート機能充実・学習向け約55,000円

エントリーモデルからハイエンドまで幅広く、読書スタイルに合わせて選べるのが魅力です。特に防水機能を搭載したモデルはお風呂やキッチンでも安心して使えるため、生活の中に読書を取り入れやすくなります。


楽天ポイントとの連携メリット

楽天Kobo最大の強みは「楽天ポイント」との連携です。本を購入するたびに楽天ポイントが貯まり、貯まったポイントで次の本を購入できます。楽天市場や楽天カードを利用している人なら、ポイント還元率がさらに高くなります。

例えば、楽天スーパーSALEやお買い物マラソンと組み合わせれば、実質的な書籍価格を大幅に下げることも可能です。さらに、期間限定ポイントも電子書籍の購入に使えるため、「ポイントの使い道がなくて失効してしまう」ということも減ります。楽天経済圏をよく利用する人にとって、これは非常に大きなメリットです。


読みやすさを高める画面性能と機能

Koboの画面はE Ink Carta HDやE Ink Carta 1200といった最新の電子ペーパーを採用し、文字がくっきり表示されます。また「ComfortLight PRO」という独自のライト機能で、時間帯や好みに合わせて色温度を調整可能です。これにより夜間の読書でも目が疲れにくく、ブルーライトの影響を抑えることができます。

さらに、ページめくりボタン搭載モデルは片手操作が可能で、通勤電車やベッドでの読書にも便利です。防水機能を備えたモデルでは、お風呂でリラックスしながら読書する人も増えています。


国内書籍の品揃えと強み

楽天Koboは国内出版社との連携が強く、日本語書籍の品揃えに優れています。特に文芸書、ビジネス書、漫画(マンガ)ジャンルが充実しており、Kindleで配信されていないタイトルも見つかることがあります。また、楽天ブックスとの連動キャンペーンにより、紙の本と電子書籍を同時購入するとポイント還元が増える場合もあります。

さらに、楽天Koboは日本国内のキャンペーンを頻繁に実施しており、漫画の1巻無料や期間限定の大幅割引セールなども豊富です。国内書籍をよく読む人にとってはかなりお得な環境といえます。


アプリやクラウド同期機能

Koboは専用アプリをスマホやタブレットでも利用でき、クラウド同期で端末間の読書位置を自動的に更新します。これにより、家ではKoboリーダーで読み、外出先ではスマホで続きを読むといった使い方がスムーズにできます。

また、PC版アプリやウェブブラウザでの閲覧も可能なため、端末を持っていないときでも読書を続けられます。さらに、KoboはEPUB形式に対応しているため、他の電子書籍ストアや公共図書館の電子貸出サービスとも連携できる場合があります(ただし一部機能は日本国内では未対応)。

Kindleの特徴と魅力

Kindleデバイスの種類と価格帯

KindleはAmazonが展開する電子書籍リーダーで、モデルのバリエーションが豊富です。2025年時点での主なラインナップは以下の通りです。

モデル名画面サイズ主な特徴価格帯(税込)
Kindle(無印)6インチ軽量・低価格・入門向け約12,000円
Kindle Paperwhite6.8インチ高解像度・防水・人気モデル約16,000〜20,000円
Kindle Paperwhite Signature Edition6.8インチワイヤレス充電・自動明るさ調整約23,000円
Kindle Oasis7インチプレミアムデザイン・ページボタン付き約35,000円
Kindle Scribe10.2インチペン入力対応・ノート機能約47,000円〜

Kindleはエントリーモデルからハイエンドまで揃っており、特にPaperwhiteは性能と価格のバランスが良く、初めてのKindleにもおすすめです。防水機能付きのモデルはお風呂やプールサイドでも安心して使えます。


Amazonエコシステムとの連携

Kindleの最大の強みは、Amazonの巨大なサービス網との連携です。Amazonアカウントさえあれば、端末のセットアップから書籍購入までシームレスに行えます。また、Amazonプライム会員向けの「Prime Reading」や月額制読み放題サービス「Kindle Unlimited」など、豊富な読書コンテンツをお得に楽しめます。

さらに、Kindleは購入履歴や閲覧履歴に基づいたレコメンド機能が優れており、自分の好みに合った本が自動的に提案されます。これにより、新しい本との出会いが増えるのも魅力です。


読みやすさを追求したディスプレイ技術

Kindleの画面はE Ink Carta技術を採用し、紙のような読み心地を実現しています。上位モデルではE Ink Carta 1200を搭載し、コントラストや反応速度が向上しています。また、フロントライトは均一な明るさで、日中の屋外から夜のベッドサイドまで快適に読めます。

OasisやScribeなどの上位機種はページめくりボタンが付いており、長時間の読書や片手操作にも便利です。また、Scribeはペン入力に対応しており、本に直接メモを書き込んだりノートとして使ったりできます。


海外書籍・洋書の品揃えと強み

Kindleは世界中のAmazonストアと連携しており、洋書の品揃えが圧倒的です。英語の新刊はもちろん、多言語の電子書籍が手軽に購入できます。さらに、辞書機能や単語帳機能が充実しているため、英語学習者にも向いています。

例えば、英語の本を読んでいるときに分からない単語をタップすると、その場で辞書が表示され、単語帳に保存して後で復習できます。この機能はKoboにもありますが、Kindleの辞書や翻訳の対応言語は幅広いのが特徴です。


Prime ReadingやKindle Unlimitedの活用法

Prime ReadingはAmazonプライム会員なら追加料金なしで利用でき、数百冊の電子書籍が読み放題になります。ジャンルは小説、ビジネス書、雑誌、漫画など幅広く、ラインナップは定期的に更新されます。

Kindle Unlimitedは月額980円で、和書・洋書合わせて200万冊以上が読み放題です。特に洋書やビジネス書の充実度は高く、たくさん読む人には非常にお得なサービスです。注意点としては、どちらも対象作品は入れ替わるため、読みたい本がいつまでも読めるわけではないことです。

KoboとKindleを5つのポイントで比較

価格とコストパフォーマンス

KoboとKindleはどちらもエントリーモデルからハイエンドまで揃えていますが、価格帯と機能のバランスに違いがあります。一般的にKoboのエントリーモデルはやや安価で、同等スペックならKindleより数千円安く買えることが多いです。一方、Kindleはセール時の割引率が高く、Amazonの大型セール(プライムデーやブラックフライデー)では半額近くになることもあります。

また、ランニングコスト面では、Koboは楽天ポイント還元があるため、楽天市場を利用している人にとっては長期的にお得になりやすいです。KindleはPrime ReadingやKindle Unlimitedを活用することで、本の購入頻度が高い人にはコストパフォーマンスが向上します。


本の品揃え(国内・海外)

国内書籍はKobo、海外書籍はKindleが優勢です。Koboは日本の出版社との連携が強く、漫画や国内小説のラインナップが豊富で、Kindleにはないタイトルも見つかります。一方、Kindleは洋書や海外の専門書の品揃えが圧倒的で、英語学習や留学準備に向いています。

項目KoboKindle
国内書籍◎(特に漫画・文芸)
海外書籍◎(洋書が圧倒的)
雑誌

ポイントや特典の充実度

ポイント制度ではKoboが優勢です。楽天ポイントが使えて貯まるだけでなく、楽天カード決済やキャンペーン参加で還元率を大きく上げられます。KindleはAmazonポイント還元があるものの、還元率は低めで、セールや読み放題サービスが主な特典です。

特典の方向性が違うため、「普段楽天をよく使うか」「Amazonプライムを利用しているか」で選びやすくなります。


デバイス性能と機能性

ハード面では、どちらも防水機能・高解像度・ライト調整機能など基本性能は充実しています。KoboはEPUB対応や図書館連携(海外)など柔軟性が高く、Kindleは辞書・翻訳機能が優秀でレスポンスも早いです。また、Kindle Oasisのような左右対称デザイン+ページめくりボタンは独特の魅力があります。

KoboはSDカードスロット非搭載ですが、容量は8GB〜32GBでほとんどの用途には十分です。Kindleも同様に内蔵ストレージのみですが、クラウド管理が使いやすいです。


アプリやクラウドの使いやすさ

両者ともスマホ・タブレット・PCアプリを提供し、読書位置の同期が可能です。ただし、Kindleはブラウザからのアクセスやクラウド管理がより直感的で、蔵書管理がスムーズです。KoboはEPUB対応の柔軟さが魅力で、他サービスからの取り込みに強みがあります(ただしDRM保護のある本は不可)。

項目KoboKindle
同期のスムーズさ
ファイル対応EPUB可MOBI/KF8/AZW3
辞書機能
図書館連携一部海外で可なし

どちらを選ぶべき?おすすめタイプ別診断

国内書籍メイン派におすすめ

もし読む本のほとんどが日本語の小説、ビジネス書、漫画なら、楽天Koboがおすすめです。特に漫画はまとめ買い割引や1巻無料キャンペーンが頻繁に行われており、シリーズ作品を安く揃えやすいです。国内出版社との提携も強く、Kindleでは配信されていない書籍が見つかることもあります。さらに、楽天ポイント還元を活用すれば、実質的なコストを抑えて読書量を増やせます。


洋書や専門書メイン派におすすめ

英語の小説や学術書、海外の専門書を読むならKindleが断然有利です。世界中のAmazonストアと直結しており、最新の洋書をスピーディーに入手できます。さらに辞書・翻訳機能が強力で、英語学習中の人にも使いやすいです。特に英語圏のビジネス書や技術書は、紙の本よりも電子版の方が早く発売されるケースも多く、Kindleならすぐに手に入ります。


コスパ重視派におすすめ

コストパフォーマンスを最優先するなら、自分が利用している経済圏で選ぶのが賢明です。楽天市場や楽天カードを多用している人はKobo、Amazonプライム会員でセール時にまとめ買いする人はKindleが有利です。月額980円のKindle Unlimitedや、楽天Koboのポイント増量キャンペーンなども含め、どちらの仕組みが自分の読書スタイルに合うかを考えると失敗しません。


ポイント・特典重視派におすすめ

ポイント還元を徹底的に活用したいならKobo一択です。楽天市場での買い物やキャンペーンと組み合わせることで、10〜20%還元も夢ではありません。一方、Kindleはポイントよりも「読み放題サービス」が特典の中心です。Prime ReadingやKindle Unlimitedをフル活用すれば、毎月数十冊を追加費用なし(または定額)で読める環境が整います。


既存サービスとの相性で選びたい人向け

すでに楽天経済圏を利用しているならKobo、Amazonのサービス(Prime Video、Alexa、Amazon Musicなど)を日常的に使っているならKindleが自然にフィットします。読書以外の生活の中でどのサービスをよく使っているかを振り返ることで、自分にとってのベストな選択肢が見えてきます。

読書スタイルKoboKindle
日本語書籍が多い
洋書・専門書が多い
コスパ重視◎(楽天ポイント)◎(セール・読み放題)
ポイント重視
Amazonサービス利用者

まとめ

楽天KoboとKindleは、どちらも電子書籍ライフを快適にしてくれる優れたリーダーですが、それぞれに強みと向き不向きがあります。
国内書籍や漫画をよく読む人、楽天経済圏で生活している人にはKoboが向いています。ポイント還元や国内出版社との連携が魅力で、長期的に見てもコストパフォーマンスに優れます。
一方、洋書や海外の専門書を多く読む人、Amazonのサービスを普段から利用している人にはKindleがおすすめです。読み放題サービスや海外書籍の圧倒的な品揃え、辞書・翻訳機能の充実度は大きな魅力です。

最終的には、自分の読書習慣と利用しているサービス環境を照らし合わせ、「どちらのエコシステムに身を置くか」で決めるのが失敗しない選び方です。